グローバルな流動性の期待はビットコインに有利なるも Mt.GoxのXデーが間近に迫る

 先週我々は、米国MMFからの途方もない資金流出と、同時に米国株の投げ売りを目の当たりした。これは、米国MMFの米国株への巨額の投資と現金の引き出しを暗示している。ビットコインは、その他の高リスク資産を先導するマクロな観点からの投げ売りによって、再びグローバルな流動性の先行指標となったようだ。

 米国株式市場の落ち込みは、コロナウイルスのためだけでなく、社会主義者のバーニー・サンダースの台頭も原因の一つである。富裕層や大手企業は、サンダースが所得格差是正の精力的な提唱者であることから、怖れを抱いている。

(青)S&P500指数

(赤)米国MMF前年同期比 (%)

出典:Bybitインサイト

 安全な避難先と言われる金までが下落したことに戸惑っている人もいるが、グローバルマーケットで他のアセットクラスのマージンコール(追加証拠金)に直面している時に、流動性を確保するために金が売られるのは自然なことだ。これは2008年11月にも顕著にみられ、金リースレートが史上最高値を年間で2.5%上回る急上昇を遂げたが、金価格は反対に下落。その後2011年に目覚ましく回復し、史上最高値を付けた。

出典:Bloomberg

 米国の金融市場は、数日前に予想確率が突然ゼロから100%に急上昇したことから、3月18日の0.5ポイント利下げを信じているように見える。金融市場のシグナルは新たな緩和サイクルがスタートしたことを表しており、米国ベンチマーク金利が第2四半期に0.5%~0.75%に達して留まるまで、今年中に3回、累計1ポイントの利下げが行われるであろう。

 米中G2は必ず彼らの金融財政政策を拡大することから、これはビットコインにとって間違いなく起爆剤となる。中国は今年、最低でも5.6%の経済成長を確保しなければならず、このため年内のインフラ投資を少なくとも3,000億米ドル強化する必要がある。建設ラッシュにも関わらず経済成長が十分でなければ、不動産取引の緩和が最後の選択肢となる。

 ゴールドマンサックスは当初0.25ポイントの利下げを予想していたが、まもなく市場の期待に屈し、3月18日もしくはそれ以前に0.5ポイントの利下げが行われる可能性があるという見方を示した。また、カナダで累計1ポイント、英国・オーストラリア・ニュージーランド・ノルウェー・インド・韓国で0.5ポイント、ユーロとスイスで0.1ポイントと、世界各国の中央銀行の利下げを予想している。同社の先週の下方修正報告が米国株式市場の下落の引き金となったことや、彼らがよい情報源を握っていることで知られていることからも、その見通しは考慮に値する。0.5ポイントの利下げにより市場は一時的に落ち着きを取り戻すだろうが、ゴールドマンサックスによると今年の企業収益はゼロ成長が予想され、今後さらなる観測が必要だ。

出典:CMEグループ

図中の語句:

連邦公開市場委員会(FOMC)会合予想確率

会合開催日

出典:CMEグループ

図中の説明:

2020年3月18日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合の誘導目標金利確率の履歴

 しかしながら、Mt.Gox(マウントゴックス)のXデーである3月31日が近づいており、慎重に構えていなければならない。Mt.Goxの再生管財人は140,000BTCのビットコインを管理しており、それらは3月末以降に債務者へ返還されるだろう。だが、管財人は依然として、これまでにその全部または一部を認めなかった多額の再生債権を処理しなければならず、計画が再び延期される可能性がある。Xデーまで、潜在的購入者は冒険をしたがらない。市場関係者の多くが十分に理解していないようだが、これはビットコインの価格が10,000ドル超から下落した理由の一つである。計画が延期されれば、当面の過剰状態は解消される。

2019年10月28日

関係者各位

再生債務者:株式会社MTGOX

再生管財人:弁護士 小林信明

再生計画案の提出期限の変更に関するお知らせ

 再生管財人がその全部または一部を認めなかった再生債権のうち、多額の再生債権について、査定申立および査定異議訴訟の提起がなされ未確定となっております。従って、再生計画案の中で定めるべき、再生債権に関する権利の変更、弁済方法、未確定再生債権に関する適切な措置を確定することができず、それに伴い再生債権者への弁済方法について関係者との十分な協議を行うことが実質的に不可能であり、2019年10月28日までに再生計画案を提出することが困難となりました。

 また、未確定となっている再生債権が裁判所により確定し、再生計画案を提出することが可能となるまでには、一定の時間を要すると見込まれます。

 以上を踏まえて、再生管財人は東京地方裁判所に対し再生計画案の提出期限の延長を申し立て、2019年10月25日、同裁判所により、再生計画案の提出期限を2020年3月31日に変更する旨の決定がなされました。

以上