FRBが引き続き市場を支える

重要ポイント 

  • 株式市場は力強い経済データと低い政策金利により回復
  • FRBはイールドカーブ・コントロールをまだ決断せず
  • 低金利環境が、ビットコインを含む実物資産を支える

6月の米非農業部門雇用者数は前月比480万人増と予想の290万人増をはるかに上回ったことから、株式市場が最近回復を見せている。雇用の伸びは5月の270万人増から引き続き上昇した。6月の増加は、米国史上最高記録となる1ヶ月の伸びを易々と達成した。米民間調査機関コンファレンスボードが発表した6月の消費者信頼感指数は、5月の85.9から98.1へと急上昇し、予想の91を大幅に超えた。

これらの図は、経済が回復のプロセスにあることを暗示している。雇用統計の回復は消費者マインドを後押しする。FRB(米連邦準備理事会)の最新報告の発表が市場のセンチメントをつなぎとめたことから、コロナウイルスの第2波到来の可能性への恐れにも関わらず、危険資産は否定的な推測をはねのけた。

7月1日にFRBは、今年6月9日に開催された会議の議事要旨を発表。市場のセンチメントが回復し財務状態が改善しているものの、引き続きさらなる経済支援が必要であるとした。

FRBの金利見通しによれば、米国の政策金利は少なくとも2022年まで現状のレンジの0~0.25%を維持し、すなわち2023年まで引き上げがないことを意味する。

出典: US Federal Reserve

米国の金利先物取引も、2021年3月までの金利予想0~0.25%が市場コンセンサスであることを示唆している。

出典: CME Group

FRBは長期金利について、より積極的な政策「イールドキャップまたはターゲット」(YCT)の議論を続けている。この戦略は、第二次大戦中とその後等の緊急事態の際に採用され、また現在日本銀行やオーストラリア準備銀行で実施されている。FRBは関連する潜在リスクが高いとしてYCT採用を決定していないが、より成果に基づいたフォワード・ガイダンス(将来の金融政策方針の表明)を提供するとしている。

低金利は、「デジタル・ゴールド」と呼ばれるビットコインを含む実物資産の価格上昇をもたらす。ビットコインは、耐久性、代用性、可分性、そして最も重要な希少性という、貴金属と共通する多くの性質を持っている。さらにビットコインはその不変性により、金をしのぐ高い優位性がある。最近の金の偽造事件では、83トンもの偽造された金地金が総額23億ドルの融資担保に充てられていた。融資の担保に偽造ゴールドが使われたのは、これが初めてではない。2016年には、偽造によく使われるタングステンが中心に入った金塊が、25億ドルの融資の担保に用いられた。

偽造の広がりにより、金の準備資産としての実用性と信頼性には疑問が生じるようになった。これとは反対に、ブロックチェーンのはるかに優れた認証技術のおかげで、ビットコインの偽造事件は初期の段階でさえも前例がない。