ETHE 800%プレミアムで取引

主な点

  • 2020年6月5日、ETHEは800%以上のプレミアムで取引された。
  • GBTCの71%と比較して、ETHEの取引可能な株は発行済み合計株の3%である。
  • 近い将来には制限株式が利用できるようになるため、ETHEの高額なプレミアムは長期的には維持されそうにない。

4月下旬に我々はGrayscale イーサリアムトラスト (ETHE) が取引していた驚くべき400%のプレミアムについて話した。(「投資家はなぜETHに400%以上ものプレミアムを払うのか?」)6月5日現在で ETHEのプレミアムは純資産価値で 877% にまで高騰し、わずか1ヶ月あまりで前回記録の2倍に跳ね上がった。

出典: Grayscale イーサリアムトラスト  2020年6月5日現在

面白いことにGrayscale ビットコイントラストは最近24%というずっと少ないプレミアムで取引している。ETHEの高いプレミアムを支持しているものは何だろうか?そしてETHEとGBTCのプレミアムの差はどのように説明できるのだろうか?

出典: Grayscale ビットコイントラスト  2020年6月9日現在

効率的な財政市場では高いプレミアムは裁定活動によって一掃される。しかし、「投資家はなぜETHに400%以上ものプレミアムを払うのか?」と「Grayscale はなぜビットコインをほとんど売らないのか」 で説明したように、一次市場でETHE やGBTCを申し込む投資家には、1年または6ヶ月の保有期間が適用される。さらに重要なことに、価格差を裁定するためにETHEのショータブル(保有期間を短縮して売ることができる)株を見つけることは困難である。

ETHE と GBTCの株どのくらいがショータブルなのだろうか? この問いに対する明確な答えはないが、ショータブル株は少なくとも自由に取引することができる。市場で自由に取引することができるETHEとGBTCの株の数について詳しく見てみよう。

GBTC とETHEの2019年12月31日時点の最新年次報告によると、自由に取引できるGBTCの株は204,546,060 で、発行済み合計株の 76% を占め、自由に取引できるETHEの株は455,435で、合計株のわずか 8.7% である。 

2020年に新たに発行された株と制限保有期間が満了になり利用できるようになった株についてはどうだろうか?GBTCは2020年に41%以上の新規株を発行し、ETHEは189%以上を発行している。

GBTC の私募発行では2020年4月20日までは最低保有期間が1年で、それ以後は6ヶ月だった。赤い矢印はGBTCで利用可能になった時点を示している。2019年12月以前に発行された株は6月11日までにすべて自由に取引ができる株になった。 GBTCの発行済み合計株数は2019年12月31日時点で269,445,300だった。これはGBTCの現在の株の約70% にあたる380,090,300株が今では自由に取引ができることを意味する。割合の点では、自由に取引できる株は 76%から減少し、2020年の上半期で新たに発行された株は41%希薄化された。 

逆に、ETHE の私募発行株の保有者は少なくとも12ヶ月保有しなければならない。2019年の各四半期間のETHE の申し込みはそれぞれゼロUSドル、1400 万USドル、6270万USドル、1910万USドルだった。現在、ETHEは2019年6月以前に申し込まれた株のみを利用可能にすることができる。ETHEのチャートからは2019年6月以前の申込みは実質ゼロだったことがわかる。ETHEの発行済み合計株数は2019年6月30日時点で 455,435で、現在の合計株数15,498,400 のわずか3%だけが自由に取引できるものであることを示している。

それでもなぜ二次市場で800%のプレミアムでETHEが買われるのだろうか?これには2つの要因があると思われる。

  1. 機関投資家はコンプライアンス制約のために一次市場で制限株を購入することが許可されない場合もある。小規模の投資家は投資家基準を満たすことができず、そのために一次市場での購入ができない。そしてまぎれもなくこのような投資家は直接 イーサリウムを保有しないことを選択する。

出典: Grayscale

  1. トレーダーの中にはこのような公の募集が少ないことをうまく利用して、拡大するETHCプレミアムを売買する者もいる。

ETHCの高額なプレミアムはイーサリム自体への需要が強いためではなく、公の募集があまりにも少ないことから生じている。次にこの高額のプレミアムETHEによって裁定取引者が私募を通じてもっと購入することが促され、ETHEの運用資産を押し上げることになるだろう。

しかし、今後徐々に多くの株が利用可能になり、最終的には二次市場にも公開されるので、ETHEの高額なプレミアムは持続しないだろう。