暗号市場のセンチメントは米中関係の緊張を反映

重要ポイント 

  • 暗号の世界は、最近の米中関係緊張による株式市場の痛みを感じている
  • 暗号通貨は近頃、より高リスク資産のような動きをみせている
  • ETHの基盤は損なわれておらず、グレースケールのETH投信とDeFiはいずれも増大

すでにご存じの通り、新型コロナウイルス問題の報復手段としてさらに中国へ追加関税を課すと脅すトランプ大統領の行動は、両国の新たな緊張のきっかけとなることが危ぶまれている。トランプ大統領は、ウイルスを抑え込む適切な措置を講じなかった責任が問われていることから、激戦州で支持を失いつつあるように見え、一部のコメンテーターはトランプ氏がコロナ対応における自らの失策を隠すために、責任をなすりつけようとしていると述べている。ウォートンビジネススクールが最近発表した新型コロナウイルスの予報モデルでは、6月末に米国経済が完全に再開すると952,210人の死亡につながり、第2四半期のGDPは前年比で7.9%収縮するとしている。

出典: Wharton Business School (https://budgetmodel.wharton.upenn.edu/issues/2020/5/1/coronavirus-reopening-simulator)

興味深いことに、暗号通貨は月曜(2020年5月4日)にアジア株式市場が開いた後に下落した。注目すべきは暗号通貨と株式の間の相関性で、最近著しく高まっている。これはおそらく、より多くの従来型投資家の参入によるものだと説明できる。

出典: Grayscale (https://grayscale.co/wp-content/uploads/2020/04/Grayscale-Bitcoins-Quantitative-Tightening-vs.-Central-Banks-Quantitative-Easing-April-2020.pdf)

ETHは月曜に反転して約4.7%下落したが、一方BTCの下落は2.3%のみだった。保有者は過去も現在も、BTCの価格の回復に重要な役割を果たしている。

出典: Grayscale (https://grayscale.co/wp-content/uploads/2020/04/Grayscale-Bitcoins-Quantitative-Tightening-vs.-Central-Banks-Quantitative-Easing-April-2020.pdf)

ETHの基盤は損なわれていない。私たちが以前ご紹介した論理に立ち戻ると、グレースケールのETHEは今年に入って以来750,000 ETH以上を買い付け、それは今年採掘されたイーサの約48%であり、グレースケールはイーサの全供給量の1.2%の保有者となった。DeFiは270万イーサを獲得し、イーサの全供給量の2.4%の保有者となった。詳細は「なぜ投資家は400%のプレミアムをETHに支払うのか」(https://blog.bybit.com/insights/grayscale-ethereum-trust-trading-at-a-400-premium/)をご覧いただきたい。

出典: Aleth IO (https://aleth.io/data/defi/eth-locked-in-defi)

出典: Coin Metrics (https://www.coindesk.com/wp-content/uploads/2020/04/CoindeskQuarterlyReview_Q12020_CoindeskResearch.pdf)

DeFiユーザーの数は、16万近くまで飛躍的に増加した。これは、1日の伸び率が0.56%であることを意味する。伸び率ではピンと来なければ、こう説明しよう。DeFiのユーザー数はこのペースで増え続けると、2021年3月までに100万、2022年5月までに1,000万に達する。しかしながら、DeFiのステーキングは一部のクジラたちに偏っていることを忘れてはならない。例えば、MakerDao CDP(担保付き債務ポジション)保有者#3088は、2番目に大きいMakerDao CDP 保有者の17倍のポジションである127,274 ETHをデポジットしている。一方InstaDAppでは、デポジットの約80%がわずか3つのアカウントからのものである。